現地レポートメール届きました。  平成16年2月19日

皆様へ

この度「薬物捕獲」が中止になってから、本当にたくさんの
あたたかいメールを頂き、お逢いした事もない多くの方々の
やさしい御気持ちに改めて感謝をしています。

昨日は、現地から帰ったばかりで結果報告のみに
なっていましたので、当日の朝からの様子を御報告致します。

午後1時半から決行でしたので、午前中に新幹線で現地へ行き
地元ボランティアさんと一緒に中の様子を見に行きました。
餌を仕掛ける場所を案内して貰い、犬達の姿を探しましたが、
初めて見る私を警戒したのか鳴き声が一度聞こえただけで、
結局出て来ませんでした。

とにかく「にわか」でもいいので里親さんになってくれる人を
集めようとボランティアさんが電話を掛け回って、
何人かの方が飛んで来て下さいました。

その間も「最後まであきらめず」に皆様が電話やFAXで
「薬物捕獲中止」を要請して下さったお蔭で、
また全国の愛護団体様も一斉に抗議・要請をして下さり
管理センターの所長がついに「では、処分の前に
現地で話し合いの場を持ちましょう」と言って下さいました。

午後1時を過ぎた頃からマスコミ各社(ローカルTVと新聞社の
ほとんど全てと雑誌社1社)の方や、地元住民の代表の方、
管理センターと市役所の方が集まり始め、テレビカメラの回る中
話し合いが始まりました。

最初は、ちょっとした小競り合いの様にもなりましたが、
行政、地元住民、ボランティアの中から代表を決めて
話し合いと言う事になり、それぞれの立場での意見を
出し合いました。
今思うと、おそらく管理センターは昨日の朝の時点で
「薬物捕獲」を半分諦めていたように思えます。
と言いますのは、「当初薬物を致死量入れると言っていたのに
何故、多くの方からの電話には眠らせる程度だと答えたのか」
との私の質問に、「本当は致死率50%程度を入れたかった。
でも、今日はその5分の1しか入れていない」と答えにならない
答えが返って来たからです。
「それでは捕獲も出来ませんよね。」と言うと「そうですね」
だけでした。

地元住民の方には、「ボランティアが犬達を捕獲して、
必ず現地を巡回します。新たに捨てに来る人への啓発として
行政に看板を立てて貰い、ボランティアが見回りをします」
との事で了承を頂きました。

その時点で、市の職員の方が「今日は、薬物捕獲を中止します。
犬達は捕獲器で捕獲し、全ての犬をボランティアに託します」と
決定してくれました。

ほっとして、その場に座り込みそうになりました。
皆様全員に電話をかけて御報告したいと思いました。

今回の事は、本当に皆様おひとりおひとりの御尽力のお蔭です。

マスコミの取材を受けている時に、ある新聞社の方が
「こんなに来たんですよ」と皆様から届いた「取材依頼」の
ファイルを見せてくれました。
遠くは北海道から沖縄まで、全国のお逢いした事も無い方々の
あたたかい御気持ちが私の背中を押してくれました。

一夜明けて、今改めて皆様のお気持ちが嬉しく、込み上げて来るものを
押さえる事ができません。

地元ボランティアさんにとっては、これからが正念場だと思います。
実際にこの件で動けるのは、2人しかいません。
近隣にお住まいの方でお手伝い頂ける方、手伝って頂ける方を
御存知の方は、是非御連絡下さいませ。

最後に、行政が一度決定した事を取り下げると言う事は
滅多にありません。
今回は、行政にとって苦渋の決断だったと思います。
北九州市管理センターにとっては始めての事だと思います。
しかもあんなにたくさんのテレビカメラの前ですから、
面目も何も無かった事でしょう。
それでも、処分を中止してくれた管理センターに
どうか「お礼」のメールかFAXを送って頂ければ幸いです。
反発し合うのではなく、官民がお互いに歩み寄って
協力すれば、必ず不幸な命は無くなると信じています。

北九州市動物管理センター
doukan@m21.alpha-net.ne.jp

電話   0935811800
ファックス  0935828852

今週末にも、今回の「野犬薬物捕獲」についてのホームページを
立ち上げようと思います。
サイトにアップしましたら御連絡を差し上げますので、
皆様が救って下さった犬達に、ぜひ逢いに来て下さい。

ありがとうございました。

NORICO stardust@love.email.ne.jp